生成AI 基本

一貫性Consistency

複数カットで同じ対象を同じに保つこと

ポイント
  • 一貫性は、複数の枚、複数のカットにわたって同じ対象を同じに保つことです。物語の絵や映像で特に重要です。
  • 毎回新しく作ると少しずつずれます。前の枚を目分量で真似ると後ろへ行くほどずれが重なり最初とまるで違うものになります。
  • 解決法は固定した見本ひとつを置いて、毎回それに合わせることです。シード固定、参照画像、人物専用学習、構図案内を組み合わせて使います。
  • 顔や服のように必ず守るものだけを決めておいて、姿勢や背景は緩めるほうが結果がよくなります。
  • バリエーション生成とは方向が反対です。バリエーションを強くかけるほど一貫性は崩れます。
目次

1たとえで理解する

額縁店に写真六枚を預けて、一つの壁に掛けるセットに仕立ててもらうとします。写真ごとに縁の台紙を切って挟みますが、毎回目分量で切ると幅が少しずつ違ってきます。一枚ずつ見ると問題なくても、六枚並べて掛けると列がそろわず目障りです。

もっとまずいのは直前に作ったものを見て似せて切る方式です。一度に一ミリずれるだけでも、六枚目には一枚目とはっきり違ってきます。前のものを見て追いかけると、ずれは積み重なるだけです。

店で使う方法は簡単です。最初に切った縁を見本として別に取っておき、新しい台紙は毎回その見本に当てて切ります。直前のものではなく、いつも同じ見本を見るので六枚がずれません。

2くわしく

なぜ自然にずれるのか

注文文一行だけを入れて絵を何枚も出すと、毎回違う顔が出てきます。注文文に書ける言葉は短い印象だけだからです。短い髪に眼鏡をかけた人という言葉に当てはまる顔は数え切れないほどあり、作るたびにその中のひとつが選ばれます。

では前に出た絵を入れてつなげて描かせればよいかというと、ここでずれが始まります。前の枚を参考に新しく描くたびにほんの少しずつ違ってきて、その結果をまた参考にするので違いが積み重なります。十カットほど進むと最初の人物と違う人になります。

だから順序を変えなければなりません。前の枚ではなく最初から最後まで同じ見本一枚を見るようにすると、ずれが積み重なりません。

見本をつなぎとめる方法

一番手軽な方法は、出発点の染みを選ぶ番号を固定することです。番号が同じなら印象が似て出ます。ただし注文文を少し直しただけでも顔が揺れるので、これだけでは足りません。

一歩進んだ方法は、参考にする絵を一緒に入れることです。人物写真一枚を見本として渡し、この顔を保ってほしいと頼む方式です。顔の特徴だけ取り出して新しい絵に移し植える道具も多くあります。

一番確実な方法は、その人物だけを別に教え込むことです。同じ人物の写真十枚から二十枚ほど集めて小さな追加学習をさせると、名前ひとつ書くだけでその人物が出てきます。手間はかかりますが、カットが数十個ある作業ではこちらのほうが結局速いです。

姿勢と構図を絵で指定する方法も一緒に使います。骨格の線や輪郭線を入れて姿勢をつなぎとめると、顔だけ気にすればよくなるのでずれる余地が減ります。

何を守り何を緩めるか

すべてを同じようにつなぎとめると絵が死にます。同じ姿勢、同じ角度、同じ表情ばかり繰り返されると、複数カット作った意味がありません。だから守るものと緩めるものを分けておくのがよいです。

守るものはたいてい見分けに使われるものです。顔立ち、髪型と色、服装、目立つ小物がそうです。緩めるものは姿勢、角度、表情、背景、時間帯です。

守るものは注文文で毎回同じ言葉で書き、緩めるものはカットごとに違う言葉で書きます。守るものを毎回違う言葉に書き換えると、それだけで人物が揺れます。

映像では二重になります

映像では一貫性が二層に分かれます。ひとつはひとつのカットの中で場面と場面の間が飛ばないことで、もうひとつはカットとカットの間で同じ人物が同じに出ることです。

ひとつのカット内の揺れは、服の柄が場面ごとに変わったり背景の物が点滅したりする形で現れます。前後の場面を一緒に見ながら作らせる方式で減らします。カット間の揺れは絵と同じ方法で、同じ見本を渡し続けて抑えます。

バリエーション、補間と切り分け

バリエーションは同じ注文から兄弟のような結果を複数取り出すことです。多様に散らばることが目的なので一貫性とは反対方向に引っ張ります。似せ具合のつまみを強く回すほど顔が変わります。

補間は二つの結果の間を一本の線でつなぐことなので、中間が少しずつ変わっていくのは当然です。一貫性は変わらないようにつなぎとめることなので、目的が互いに食い違います。物語の絵を作るときは、人物は一貫性でつなぎとめ、背景やカメラの動きだけ補間でつなぐというふうに使い分けます。

3もう少し正確に

一貫性を保つ方法は、どこをつなぎとめるかで分かれます。出発点の染みを固定する方法、参考画像から取り出した特徴を作る過程に差し込む方法、その対象だけを収めた小さな追加学習を名前ひとつで呼び出す方法、姿勢と輪郭を絵で指定する方法が代表的です。実際の作業では二、三種類を重ねて使います。うまく守られたかは、人が並べて見るか、顔を数値に変えて二枚の絵がどれだけ近いか測って確かめます。

たとえがずれるところもあります。額縁の台紙は見本に当てて切れば同じに出ますが、生成は見本を渡しても毎回まったく同じには出ません。見本は方向を示すだけで、残りは新しく作られます。そして台紙は幅ひとつ合わせればよいですが、人物は顔、髪、服、比率と合わせるものが複数あるので、片方をつなぎとめるともう片方が緩みやすくなります。

4やってみる

5よくある誤解

  • 注文文に人物の見た目を細かく書けば同じ人物が出ると思われがちですが、実際には言葉で絞り込める範囲に限りがあるのでカットごとに違う顔が出ます。

  • 前の枚を入れてつなげて描かせれば保たれると思われがちですが、実際には少しずつのずれが積み重なって後ろへ行くほど別人になります。

  • 一貫性を強くかければ絵がよくなると思われがちですが、実際には姿勢や表情まで固まってしまい、複数カット作った意味が薄れます。

7ひとこと要約

つまり一貫性は前の枚を追いかけるのではなく、固定した見本ひとつに毎回合わせる方式で、複数のカットにわたって同じ対象が同じに見えるようつなぎとめることです。

誤りや、もっと良いたとえがありますか? 修正を提案する · 最終更新2026-09-02